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ベスト8が出揃った時に、たしか順当に強豪国が残った大会となったと書いた気がするけど、いやはやそこから先は波乱の連続。ブラジル、アルゼンチン、イングランド、大会前に優勝候補とされていた国がベスト8で次々と消えていってしまいました。イタリア対フランス。この決勝カードを予想していた人はそんなにいないのでは? イタリア、ドイツ、フランス、ポルトガル、今回はその残った国のこれまでの戦いぶりを振り返り、戦力分析、勝因などを探ってみましょう。
まずは開催国ドイツから。プレゼント抽選とは言え、開催国の重圧にさらされた第1戦コスタリカ戦で4-2の打ち合いを制したドイツ。「守りの不安を攻撃で払拭する」というクリンスマンの描くサッカーそのままのこの開幕戦の入り方がまず良かった。大会を通じて攻撃面が試合事にかみ合っていき、決勝トーナメント第1戦スウェーデン戦なんか圧巻の内容。
特筆すべきは2度のワールドカップで現時点で10得点“W杯男”クローゼの成長。点で合わせる事しかできなかった選手が、この4年でゴール前まで、または味方まで線も描けるような選手へ成長。ブンデス得点王の肩書きは伊達じゃなかった。さらにいぶし銀シュナイダーの相手がいやがる要所をついた動きも良かった。そしてこの2人の選手が光ったのはバラックの存在を抜きに語れない。ミドルシュートを雨あられと打ちまくったおかげで、相手守備陣はバラックのミドルを警戒せざるをえず、DFラインはフラットではなくなり、結果生まれるスペースにクローゼが入り、そこへシュナイダーが配球するというのがこれまで多く観られました。今大会のバラックはコンディションが悪いなりに、黒子に徹してまわりを生かしてます。ポドルスキー、シュバインシュタイガーなどにどんどんパスを回して「いけ、いけ」的な。それが特にポドルスキーを乗せましたね。
イタリア戦はさすがに力がおよばず敗退してしまいましたが、2-0というスコアほどの惨い負け方ではありません。開催国としてここまできたら是非とも欲しい3位決定戦へも問題なく臨めるはず。特にあと1点で監督クリンスマンと並びドイツ人歴代得点記録2位に躍り出るクローゼはモチベーションも高く狙ってくるでしょう。得点王Tシャツを作ると公言してしまったDLIVE的には、実に地味なTシャツが完成となってしまう緊急事態ですが(笑)
一方その3位決定戦の相手、ポルトガル。この躍進の兆しは2年前のユーロにあり。自国開催という事で決まった外国人監督フェリペの招集から始まりました。フェリペは就任と同時にデコという秘密兵器をブラジルから輸入します。その後のデコの活躍はみなさんご存知の通り。当初はフィーゴを中心とした反デコ派もチーム内には存在しましたが、フェリペが一貫として「名前ではなくチームへの貢献度で選手を選ぶ」という哲学を貫いてチーム作りを押し進め、ルイ・コスタ、フェルナンド・コート、ビトール・バイアと言った旧ポルトガル代表の不動のメンバーを切り、作り上げたチームでユーロの決勝戦に進出する事に成功。フェリペは外国人監督だからこそできる、しがらみに捕われない「完全実力主義」をポルトガル代表に持ち込む事に成功します。こうなるとその貢献度からデコに誰も文句は言えません。さらにユーロ、チャンピオンズリーグで活躍したポルトガルの選手達は各国リーグのビッグクラブに移籍。国内では得難い経験を積み2年後を迎えます。
つまりユーロというビッグイベントの開催で、特例的に強化された代表を、同じ監督で正当進化させたのが現ポルトガル代表だと言えます。どうですか?
どこかの国とちょっと似てませんか? 4年前に自国でW杯というビッグイベントを開いたにもかかわらず、そこで得た経験、課題、進むべき方向、それらから“作り直す”という手法を取って、結局4年後に進化どころか迷走してしまった我が国、日本に。成功例と失敗例。まあ今回はポルトガルの話なのでこれぐらいにしとくけど。
ポルトガルの強みは中盤です。C・ロナウド、デコ、フィーゴ、マニシェ、コスチーニャ、この5人で形成される中盤は準決勝でもフランスを完全に凌駕していましたね。特に前の方は激しくポジションチェンジを繰り返し相手守備陣を幻惑。相手DF陣が捕まえきれずに、中盤からの飛び出しを押さえきれなくなって失点してしまうというのがポルトガルの得点パターンで、かなり流動的で形を持たないというのが形という禅問答のような攻撃パターン。しかしいかんせんその圧倒的な中盤から前、ストライカーがいない。そこが結局、準決勝での勝敗を分けた気がします。フェリペは苦肉の策として、しばしば今大会でスタメンのCFパウレタを下げて中盤の選手を入れる「ノートップ作戦」などもやっていますが、んーどうなんでしょうか。ここは良くも悪くも中盤次第なんです。
3位決定戦の展開はこうです。おそらく中盤はポルトガルが握るでしょう、左右に開いたフィーゴ、C・ロナウドから次々と攻撃が展開されます、が、パウレタは相変わらず孤立。流れから得点が入る気配と言えば、C・ロナウドの強引な突破からの強引なシュートがらみか、一次攻撃のセカンドボールを拾っての二次攻撃(マニシェのミドルなど)か。しかしポルトガルには優秀なドリブラーが多く存在するので、けっこういい位置でファールを取る事ができるはずです。それを決める事ができるかどうか。そこがポルトガルのポイントです。
一方ドイツは中盤を握られてもめげません。しっかりと守ってカウンターの機会を伺います。特に早さ、高さ、1対1の強さにおいてポルトガルDFの絶対的な存在であるカルバーリョがサスペンドで出場できないという点は、ドイツにとってかなり追い風でしょう。今のクローゼ、ポドルスキーのコンビネーションは止めるのけっこうキツいよ。イタリアも2度ほど危ないシーンは作られていたから。カルバーリョがいないDF陣がパニックになったら確実にどちらかにやられてしまうでしょう。さらに「3位」という現実的な目標が目の前にブラ下げられるドイツサポーターの応援も凄まじいものになるはず。それは苦しい時間帯でも、イケイケな時にも、選手にはよく効くもんなんです。
自分はこの一戦、普通に行けばC・ロナウドやらポドルスキー、シュバインシュタイガーなど若手が注目されるのでしょうが、シュナイダー、ノイビル、フィーゴ、パウレタなどここまで陰に回ってきたベテランの奮起、とういうか「最後なんだから俺が」的なエゴを出したスーパープレーが炸裂する予感がしてならない。くどいようだけどジズーのプレイって敵味方関係なく、フットボーラー全員に多大な影響を与えてると思う。各国のベテランクラスの選手は大きな希望をそのプレイから受け取っているはず。アディダスの「インポシッブル・イズ・ナッシング」じゃないですけど、目の前で限界を超えている事を見せつけられて、心が動かないはずはないでしょう。特に同い年のフィーゴ。ジズーとユニ交換をしたこの33歳のドリブラー、まだまだ現役は続けるのだけど、国を背負って戦うのは最後。人は時として背負う物が重ければ重いほど、信じられないパフォーマンスを行う事がある。おそらくポルトガル代表で一番背負ってる物がデカいフィーゴが、奇跡的なプレイをする可能性が一番高い気がします。
イタリア、フランスも続けていきたい所ですが、ここまでで随分な文量になってしまい、さらに会社でのマンマークが最近厳しくなり、かれこれ4時間ほど「あの人は一体午前中から何をやってるんだ」的なオフサイド状態なので、2回に分けてUPする事にします。それではそろそろ一発レッドで会社をクビになりそうなズラタンでした〜アデュー!
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